小原古邨
明治末から昭和にかけて活動した花鳥画の作家です。鳥や犬、猫といった動物や、花々といった素朴で身近なものを題材とした木版画で知られています。日本画家・鈴木華邨に学び、日本絵画協会の共進会展では竹内栖鳳や上村松園とともに作品を発表しました。 明治末期には「古邨」の名で版元・大黒屋から花鳥画を刊行し、海外輸出を意識した版下絵を提供しました。実際に海外ではコレクターが数多く存在し、展覧会もたびたび開催されてきましたが、日本国内では紹介の機会が限られていたため、長らく一部の愛好家の間でのみ知られる存在でした。 日本的な美意識に西洋絵画の動きや遠近感を取り入れた表現を追求し、感情豊かな作品を生み出し続けました。