上村松園の真作(本物)の価値について。買取相場と高額査定のポイント

上村松園 本物 待月

上村松園の真作(本物)の買取相場は?

上村松園の真作(本物)の買取相場についてご説明します。「真作(本物)の買取相場」と一括りにしても、その価格は幅広いです。例えば、日本画・水彩画・素描といった技法の違いや、美人画なのか静物画なのかといった絵柄の違い、描き込みの多さ、サイズ、そして作品状態の良し悪しといった様々な要素により、真作(本物)でも査定価格は変わります。

具体的には3年間のオークションデータを遡ると、上村松園の本画は16万円と安価で落札されている作品もあれば、高額になると2,000万円を超える作品もありました。

花田美術では現物を拝見した上で査定を行い、オークションデータ等の客観的資料を用いてお客様にご説明いたします。お客様がお持ちの上村松園の作品の具体的な価格を知りたい方は、花田美術までお気軽にお問い合わせくださいませ。

高額査定になる作品の特徴

上村松園といえば「美人画」が代表作であり、最も人気が高いです。美人画の中でも描き込みが多く、彩り華やか、そして柔らかな線が生み出す繊細な作品は高額になる傾向があります。

上村松園 本物 花吹雪

反対に同じ「美人画」でも、線や色彩が少ないものや、お顔への描き込みが少ない、又はお顔が見えていない作品などは、上述の作品と比べて廉価になる傾向があります。また構図については、代表作である「わか葉(1940年)」や「雪(1939年)」、「待月(1944年)」のような横長で、女性の趣深い表情が見て取れる作品は人気が高く、高額になります。

上村松園の作品の魅力と評価

上村松園はどのようなところが評価されているのか、上村松園が活躍していた時代と照らし合わせて解説していきます。

上村松園は女性で初めて文化勲章受章者(1948年)となった人物です。「京都では、美人画をやり始めたのは私が最初でしょう」と本人が語ったように、上村松園が描き始めた明治期には京都において人物画はあまり取り上げられておらず、花鳥画・山水画・動物画が主流の時代でした。

また当時は「男性中心」の思想が根強く残っている時代だったため、上村松園の評価が上がるほどに嫉妬や妬みといった多くの困難があり、作家としての道のりは決して易しいものではありませんでした。上村松園は間違いなく「美人画」を世に広めた作家であり、品のある古き良き日本の女性を最も魅力的に描いた作家といっても過言ではないでしょう。

上村松園の代表作とその特徴

上村松園の代表作として名前が挙がる作品の中でも、「母子(1934年)」という作品は重要文化財にも指定されています。「母子」は、上村松園が娘時代を過ごした明治中期の記憶が反映されているといわれています。

上村松園 本物 母子

女性が纏っている淡い浅緑色の着物は、江戸時代から町の女性の間で流行したのち、明治時代では最も一般的な平服として着られていた伝統的な縞模様の着物です。子どもを抱く穏やかな表情と柔らかな手つきからは、我が子への想いが汲み取れ、何気ない母子の日常を見ることができます。

上村松園の作品の買取査定のポイント

上村松園の作品をお持ちの方の中には、買取査定のご依頼を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。お持ちの上村松園作品にどのくらいの価格がつけられるのか、また真作(本物)かどうかなども気になるところだと思います。

上村松園 本物 楚蓮香之図

上村松園の作品を査定する際、買取業者は以下の3つのポイントに着目します。

  • 鑑定書の有無
  • 箱書きの有無
  • 作品の状態

なお、上記の3つのポイントだけでなく、市場相場などの美術品に関する客観的なデータを収集し、調査した上で適正な価格をご提示します。3つのポイントにつきましては、お客様がご自身でも確認できるところもございますので、以下ご参考下さい。

真作(本物)を示す鑑定書の有無について

鑑定証書をお持ちの場合は、査定の際にお持ちください。鑑定証書は作品が真作(本物)で、ある一定の価値を証明する重要なものです。今すぐのご売却をお考えではない場合でも、なくされないよう大切に保管されてください。

また、各作家ごとに所定鑑定機関というものが存在します。上村松園の所定鑑定機関は「東美鑑定評価機構」というところになり、真作(本物)であればその証明として鑑定証書が発行されます。鑑定にかかる費用は鑑定料5万円、登録管理料・鑑定証書発行料3万円です。

なお、所定鑑定機関以外の個人・団体による鑑定証書が発行されたとしても、そちらは真作(本物)である証明にはならないためご注意ください。
花田美術では、お客様が所定鑑定機関に鑑定依頼を出す前に、お持ちのお作品を鑑定に出した方が良いか?という視点からアドバイスしております。お気軽にご相談下さいませ。

箱書きの有無について

箱書きとは、軸の作品を収める箱に作家本人が作品の画題やサインを書いたものを指します。

上村松園の日本画はほとんどが軸装の作品です。額装されている作品に関しても、元々は軸の作品を額装し直したというケースだと考えられます。よってどの作品にも「箱書き」が存在する可能性が高いです。
箱書きの有無は真贋判定の際にも重要視される部分で、箱書きの有無により価格は左右されます。

作品の状態について

作品の状態は査定の際に必ず確認されるポイントです。具体的にはシミ、カビや日焼け、絹むらの有無を確認しています。相場に準じた価格で売却するためにも、保管環境を整えることをおすすめします。

「作品を出しておくと傷つけてしまうかもしれないから…」と、あえて倉庫にしまわれているというお客様のお話をよく聞くことがありますが、倉庫は風通しが悪く温度や湿度の管理がなかなか行き届かないことが多くあります。大事にしまっておいたはずが、かえってシミやカビを発生させてしまう原因になることもあるのです。そういったことを避けるためにも、直射日光には当たらず、かつ風通しの良いところに飾ることを推奨します。

花田美術でのお取り扱い作品について

弊社では、本画作品をメインとして取り扱いをさせていただいております。本画作品とは、日本画・水彩画といった作家本人が直接描き込んだ、1点もののオリジナル作品のことを指します。

上村松園 本物 婦女

よって版画作品については買取をしておりませんが、お客様が版画作品をご売却するにあたって、弊社と長い間取引があり、信頼できる会社のご紹介をすることは可能です。なお、お持ちのお作品が本画なのか版画なのか判断が付かないということもあるかと思いますので、まずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

上村松園の真作(本物)の査定依頼は花田美術へ

上村松園の真作(本物)をお持ちで、査定のご依頼を検討されている方の中には、「今すぐに売却をしたいということではない」「買取価格を聞いてから考えたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

花田美術では、ひとまず時価をお知りになりたいという場合でも査定のご依頼を承っております。お客様お一人おひとりのご事情を考慮しながら、売却のタイミングや売却方法についてアドバイスしております。まずはお気軽に下記お問い合わせ先よりご連絡ください。

電話番号 03-3289-0668

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