東山魁夷の真作(本物)の値段と人気の代表作を専門家がご紹介します

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東山魁夷の真作(本物)の値段

東山魁夷の真作(本物)の値段は、一般的なサイズで鮮やかな緑色の本画作品であれば、1500万円から2500万円以上はします。東山魁夷の場合、支持体が絹本(けんぽん)から紙に変化するのですが、紙に描かれた作品の方が相対的には値段が高額になるケースが多いと思います。作品にもよりますが、3000万円を超えるような値段も十分に考えられます。

ただ、真作(本物)でなければ値段がつけられませんので、もしお持ちの作品の適正な値段を知りたい方は、査定をされる前に鑑定をされることをおすすめします。今回のコラムでは、東山魁夷の作品の値段だけでなく、鑑定・査定についても後半で解説しております。

なお、花田美術では東山魁夷の真作(本物)の買取査定に対応しております。真作(本物)をお持ちで売却をお考えの方は、お気軽に花田美術までご相談ください。まだ、売却をするか決めておらず、ひとまず現在の値段を知りたいという場合でも、ご相談承ります。

東山魁夷とは

東山魁夷は風景画を数多く描いており、特に青や緑の鮮やかな作品は人気が高く、多くの人に愛されています。東山魁夷が自然を描くことが多くなったのは、大正15年の夏に信州へ旅行をしたことがきっかけでした。

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私もこの月明の静かな山峡の眺めは、全く都会の公園では味わえない素晴らしいものだと思いました。夜の大気は澄み切っていて、涼風が爽やかに吹き渡っていました。

この旅はその時は気付きませんでしたが、私に大きな影響を与えたものであることが、ずっと後になりわかったのです。それ以来、山国へよく旅をするようになり、信濃路の自然を描くことが多くなりました。
長野県立美術館/東山魁夷館より

その当時の旅の様子を綴った東山魁夷の随筆は、読む者の想像力を掻き立て、当時の様子を容易に思い描くことができます。どれだけ信州の自然が東山魁夷に影響を与えたのかがお分かりいただけるのではないでしょうか。

東山魁夷の略歴

東山魁夷は日本画を勉強していた中で、1934年(昭和9年)26歳の時にドイツのベルリンに留学しました。このベルリンへの留学で世界の美術に触れたことが飛躍のきっかけになりました。

次いで、東山魁夷にとって大きな転機となったのは、1947年(昭和22年)39歳の時に第3回日展に出品した「残照」が特選となり、政府に買上げられたことです。それからは、破竹の勢いで東山魁夷の芸術が認められていきました。

1969年(昭和44年)61歳の時には文化勲章を受章し、文化功労者に選ばれます。

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東山魁夷は芸術の集大成として、奈良の唐招提寺の壁画に取りかかり、1975年(昭和50年)67歳の時には、「山雲」「濤声」が完成しました。そして1980年(昭和55年)72歳の時に「黄山暁雲」「揚州薫風」「桂林月宵」を完成させました。この作品は全長80mを超え、制作年月約10年の超大作です。

1999年(平成11年)、5月6日に老衰のため逝去しました。 享年90歳でした。
2008年(平成20年)には生誕100年、2018年(平成30年)には生誕110年を記念して展覧会が行われており、現在でも多くの人から愛される画家です。

東山魁夷の作風と魅力

東山魁夷の作品は、日本の自然や文化への愛情と、独自の芸術的表現が見事に融合されており、多くの人々に感動を与えています。東山魁夷の魅力について、ここでは大きく分けて4つの魅力を解説します。

  • 自然への深い愛情と感受性: 日本の自然や風景に対する深い愛情と感受性が表れています。彼は四季折々の美しい自然や風景を捉え、その美しさや神秘さを描き出しています。
  • 色彩と筆致の繊細さ: 色彩や筆致において非常に繊細で独自のスタイルを持っています。彼の作品には優雅で穏やかな色調が多く用いられ、細やかな筆触が感じられます。これにより、鑑賞者は作品から静けさや平穏な雰囲気を感じ取ることができます。
  • 伝統と現代の融合: 伝統的な日本の絵画技法やテーマを取り入れながらも、自身の感性や現代的な要素を取り入れています。彼の作品は伝統と現代が融合した独自の世界を生み出しており、そのバランスが魅力の一つです。
  • 情緒と精神性: 彼の作品にはしばしば深い情緒や精神性が感じられます。風景だけでなく、その中に漂う静謐な雰囲気や情緒が観る者に共感を呼び起こします。これにより、単なる風景画を超えて、観る者の心に響く作品となっています。

東山魁夷の代表作

東山魁夷の代表作は「白馬の森」と「緑響く」です。

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東山魁夷の作品の中でも、白馬、森、湖を題材とした作品は非常に人気が高く、どこかで一度見たことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。「白馬の森」は、その神秘的な森に溶け込むような白馬が人々を魅了します。東山魁夷はこの作品の白馬は「心の祈り」であると語っています。

さて、この馬は何を表しているのかと、時々、人から聞かれたことがあります。
私は「白い馬は私の心の祈りです」と答えるだけで、見る人の想像にまかせてきました。
あなたは、どのように感じられるでしょうか。

東山魁夷館所蔵作品集/信濃毎日新聞社より

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「緑響く」は静寂を感じさせる森に一頭の白馬が描かれた作品で、東山魁夷はこの作品を音楽と見立てています。

おだやかで、ひかえ目がちな主題がまず、ピアノの独奏で奏でられ、深い底から立ち昇る嘆きとも祈りとも感じられるオーケストラの調べが慰めるかのようにそれに答えます。白い馬 はピアノの旋律で、木々の繁る背景はオーケストラです。

東山魁夷館所蔵作品集/信濃毎日新聞社より

これらの代表作と同じモチーフの真作(本物)は大変人気で、値段も高くなることが多いです。ただし作品の状態などによって評価・値段は変わりますので、まずは一度作品をお見せください。

東山魁夷の作品は美術館でも見ることができます

東山魁夷は生前、多くの作品を美術館に寄贈しました。特に東京国立近代美術館と長野県立美術館は収蔵数が多いため、よく展覧会が開かれています。長野県立美術館には東山魁夷館が併設されており、その収蔵数は970点余りになります。2ヶ月に一度展示替えを行っておりますので、様々な名作を気軽に楽しむことができます。

その他の美術館でも展覧会やイベントなどが開かれることもございますので、各美術館や、東山魁夷記念一般財団法人のHPにある展覧会・イベント案内などをご確認ください。

東山魁夷の作品の鑑定と査定

東山魁夷の作品の鑑定と査定についてご説明いたします。人気テレビ番組の「なんでも鑑定団」が放映された頃から、鑑定と査定の意味が混同されるようになってきたように私は感じます。
本来の意味を簡単に説明いたしますと、

  • 鑑定=美術品の真贋の判定をすること。真作(本物)の場合は鑑定証書の発行や作品の登録などが行われる。
  • 査定=市場の時価など専門的なデータを元に美術品を評価し、値段を提示すること。

鑑定機関ではない画廊では鑑定書を発行する権限はありませんが、鑑定機関に出す価値があるか、またはその必要がないかのアドバイスをいたします。

東山魁夷の作品の鑑定機関は定められています

東山魁夷の作品は、所定鑑定機関である「東美鑑定評価機構」で鑑定することができ、真作(本物)であれば鑑定証書が発行されます。もしも所定鑑定人や所定鑑定機関以外の人や団体が真作(本物)だと判断しても、それは公式なものではありません。

査定において真贋は大変重要で、東山魁夷に限らず真作(本物)でない場合は値段をつけることができません。もし査定時に真作(本物)であることを明示する鑑定証書があれば、より適正な値段をご提示できます。その場合も、所定鑑定機関の鑑定証書でなければ真作(本物)であることは証明されず、査定時に考慮されませんのでお気をつけください。

東山魁夷の真作(本物)の査定のポイント

東山魁夷は、日本の四季や風景を美しく描く画家です。査定時に見るポイントとしては、自然の美しさや季節の移り変わりが描かれており、その中でも鮮やかな緑の色調の作品が特に好まれます。

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また冒頭でもご説明した通り、東山魁夷は支持体に絹本と紙本を使っていましたが、紙本の真作(本物)の方が値段が高くなる傾向があります。鑑定料や査定のポイントにつきましては、下記のコラムでも詳しくご紹介しておりますので、あわせてご覧ください。

東山魁夷の鑑定料や真作(本物)査定のポイントについてはこちら

東山魁夷の真作(本物)を安心して売却するなら

東山魁夷の真作(本物)は1,500万円以上の値段がつく可能性があるため、売却をお考えの方は適正な値段を提示する信頼のできる売却先をお探しではないでしょうか。花田美術では、お客様の思い入れのある大切な美術品の価値を、豊富な実績と知識を有する専門家が適正に評価しますので、安心しておまかせいただけます。

美術品を直接お持ち込みいただくと明確なお値段をご提示できますが、まずはメールなどで作品のお写真を送っていただければ、アドバイスいたします。
※遠方の方は配送にもご対応しております。美術品専門の配送会社をご手配いたしますので、一度ご相談ください。

真作(本物)の査定のご依頼、作品のご相談などは下記よりお気軽にお問い合わせください。

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