加山又造の猫の価格が高額になる理由:なぜ人気なのか、専門家による評価のポイントとは

加山又造 「猫」 価格

加山又造の猫の価格

加山又造の猫の価格について、ここ5年間のオークションデータを遡ってみると、猫の作品の出品数はたったの4点でした。作品の美しさに加え、世に出回る作品数の少なさが相まって、更に価値を高めているように思います。

具体的な例を挙げると、一番最近では2024年2月3日に開催されたオークションにて、20号の猫の図の作品が5,400万円で落札されました。暗い背景に青い眼のヒマラヤン猫と牡丹の花が描かれたこの作品は、正に皆さんがご想像される「加山又造の猫」を象徴するような作品です。同じように猫が描かれている作品でも、2019年1月19日のオークションに出品された10号強の作品の落札価格は700万円でした。

上記のように、同じ猫の作品でも構図やサイズ、売買時期によってその相場価格は大きく変動することが分かります。

加山又造の猫とは?

加山又造の描く「猫」は、シャム猫またはヒマラヤン猫です。背景は墨を基調とした暗い色であることが多く、猫の繊細でふわふわとした毛や青く美しい眼がより強調されています。

加山又造 猫 価格「音」

水墨という日本画らしい奥深さと、シャム猫やヒマラヤン猫というハイカラな洋画的モチーフがかけ合わさっており、唯一無二のモダンな雰囲気を感じさせる作品です。猫単体の作品もありますが、猫と共に蝶々やカマキリ、牡丹などの花が描かれている作品も度々制作されており、それぞれのモチーフの組み合わせのバランスが非常に粋です。

特に、蝶々やカマキリといった生き物と共に描かれている猫の作品は、猫が生き物をじっと観察したり、触れようと近づく様子が描かれており、とても可愛らしいです。

加山又造の猫の価格・評価が高い理由

加山又造の作品の題材は「猫」以外に、裸婦、花、森、山、龍、馬、魚などが挙げられます。多数ある加山又造の作品の中でも「猫」は非常に人気が高く、その需要に比例して価格が高くなる傾向にあります。

加山又造は、「猫」等が描かれている花鳥画に関して「静物画でなく、また幻想絵画的でなく、まして図鑑的でない、生命体の存在する生きた空間として、このユニークな絵画領域を考えるべきと思っている。日本画の優れた特性の一つであると思われる象徴性の強い空間表現を、と思う。(自選画集)」と話しています。日本の伝統美術に倣った空間の使い方に加え、静物画としてではなく生命感強く描かれるその生き物の姿に、見る人は惹きつけられるのです。

加山又造とは

加山又造とは、若くしてその才能を発揮した人物です。祖父は四条・円山派の絵師、父は京都西陣の衣装図案師だったため、多くの芸術に触れて育ち、幼いころから筆を握っていました。世界中のあらゆる時代の作品から触発され、独自の感性で落とし込むスタイルの加山又造は、当時の日本画壇に新たな風を吹き込みました。

では加山又造がなぜ生涯にわたって猫を描くようになったのか、加山又造と猫の関係や作品の特徴をご説明します。

愛猫を題材に

愛猫家としても知られる加山又造は、生涯の中で2種の猫を家族に迎え、題材としてきました。1種は短毛のシャム猫、もう1種は長毛のヒマラヤン猫です。

加山又造 猫 価格「牡丹の下の猫」

昭和40年頃から猫を描いていますが、初期の頃はシャム猫を、その後はヒマラヤン猫が登場することが多いです。加山又造の描く猫はいつも温かな雰囲気を纏い、きょとんとしたり、好奇心旺盛に蝶々に触れようとしたりと、見ているだけで癒されるような作品です。

加山又造の作品の特徴

加山又造作品の特徴は、日本の伝統美術の美しさをベースに、現代的な手法で作品を制作したところにあります。例えば、水墨画の作品では伝統的なぼかしの技法の他、エアブラシや噴霧器を使用して画面に墨を重ねるという斬新な手法も取り入れています。

加山又造の作品について、茨城県近代美術館の学芸員である中田智則氏は「温故知新。加山又造の画業を一望した時、第一に思い浮かんだ言葉である。大和絵や琳派、さらに水墨画を学びながら、現代感覚に溢れた新鮮な表現を確立した加山の芸術は、まさに『故きを温ねて新しきを知る』というのにふさわしいだろう。(加山又造展図録より)」と話しています。

より明確な「猫」の価格を知りたい方へ

「猫」の価格を知りたい場合、専門家による査定をおすすめします。美術品の価格は絵柄や状態、来歴など、さまざまな要素から評価されます。評価の際には専門的な知識も必要となりますので、ご自分で価格を調べられるより、専門家にお任せされた方がより正当で具体的な価格を知ることができます。

花田美術では、加山又造作品を40年以上と長きにわたって取り扱っております。専門の知識をもとに、最新の相場資料等をお見せしながら価格についてご説明いたします。特に初めて美術品をご売却される場合にはご不安な点や疑問点など多くあるかと思いますが、どんなことでもお気軽にご質問くださいませ。

「猫」の査定ポイント

加山又造 猫 価格 「若い猫」

作品査定の際に気になるポイントは主に以下3つになります。

  1.  図柄や出来
  2.  作品状態
  3.  鑑定証書の有無

1.  図柄や出来
上述のように、同じ「猫」が描かれている作品だとしても、図柄・構図・サイズ・描き込みや色合いといった出来によって査定価格は左右されます。猫の作品であれば、繊細で柔らかな毛並みの質感が緻密に描かれている作品が高い評価を得ています。

2.  作品状態
作品状態の良し悪しは査定価格に大きく影響します。シミやカビがないか、またブルーライトを当てて修復の有無を念入りに確認します。よって、作品状態を出来るだけ良い状態に保つことが高額査定のポイントとなります。

そのためには、直射日光に当たるところに飾らない・極端に乾燥または湿潤しているところに置かないといったことに注意し、保管環境を整えておくと良いでしょう。すでにシミやカビが出てきてしまっている場合はご自身では触らず、必ず専門の修復家の方に見てもらうようにしてください。

花田美術では、状態を拝見してどのように対応するべきかアドバイスすることが可能です。ご不安な方は一度作品をお持ち込みいただければと存じます。

3.  鑑定証書の有無
加山又造の作品の所定鑑定機関は、有限会社加山・加山哲也氏です。作品査定の際に鑑定証書の有無は買取業者が必ず確認するポイントですので、お持ちの場合は大切に保管してください。なお、花田美術では鑑定証書取得の代行を行うことも可能ですので、お気軽にご相談下さいませ。

加山又造の「猫」の買取業者を選ぶポイント

美術品を査定してもらう場合、どの買取業者に依頼するべきか悩まれるかと思います。安心して美術品を売却するためにも慎重に買取業者を選択することをおすすめします。

加山又造の「猫」をご売却される場合、買取業者を選ぶポイントとして重要なことは「加山又造作品(本画)の取り扱い歴が長いこと」、「実店舗があること」、「納得のいく説明をしてくれるか」、「雰囲気がお客様と合っているかどうか」等が挙げられます。

加山又造作品は本画以外にも、版画作品も多くあります。本画と版画では、必要となる専門知識が異なってくるため、加山又造作品の取り扱い歴が長く、かつお客様がお持ちの作品と同タイプの作品を取り扱っているかチェックしておくと良いです。

インターネット上だけでなく実店舗があるかどうか、そしてお客様が納得のいく説明をしてくれるかどうかという点は、「お客様がその買取業者に安心感を感じられるか?」というところを指標にお選びになると良いです。

最後の「雰囲気がお客様と合っているかどうか」という点については、相性の話になります。取り扱い歴が長く、実店舗があり、豊富な知識があったとしても最終的には対人のお取引となります。お客様の大事な美術品を預けることになるため、心から信頼できると感じた買取業者に依頼することがベストだと考えます。
上記を判断するためには査定依頼をする前に、事前に店舗に行ってお店やスタッフの雰囲気を見てみる、その買取業者のYoutubeなどのSNSにて情報を収集しておくといったことをすると良いでしょう。

なお花田美術のYoutubeチャンネルでは、初めての方に向けた美術品売却についてや、作家ごとの売却のポイント等の説明動画をアップロードしております。美術品売却においてお役立ち頂けるような情報を発信しておりますので、よろしければご覧ください。
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加山又造の猫の価格について詳しくは花田美術へ

加山又造の猫の作品の価格について知りたいという方は、花田美術へお気軽にご相談ください。花田美術ではお客様のお持ちの作品に類似の作品データを収集し、直近の相場動向をお見せしながらご説明しております。お客様に安心していただけるよう、親切・丁寧な対応を心がけております。

もし売却をお考えであれば、売却方法については次のコラムでご紹介しておりますので、そちらもあわせてご覧ください。
加山又造の買取価格・売却方法についてはこちら

ご遠方であったり作品のお持ち込みが難しい場合は、まずはお写真をお送りいただけましたら最終的な金額は現物を拝見してからのお伝えになりますが、概算の金額感をお伝えすることは可能です。まずはお気軽にお問い合わせください。

電話番号 03-3289-0668

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