棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子の価格や高額査定のポイントを詳しく解説します

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棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子の価格

棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子に限らず、美術品の価格は、需要と供給のバランス、傷の有無などの作品状態の良し悪し、鑑定証書や箱書き・共シールの有無など、これらの要素により、大きく変わります。

棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子の場合は、特に、普賢菩薩や文殊菩薩の二菩薩なのか、十大弟子のだれなのかによっても大きく変わりますし、墨付きの良し悪し、鉛筆サインの有無などによっても変わって参ります。

棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子の価格の調べ方

シミや焼けの有無や、虫食いの有無、制作時の破れなどが見えづらい箇所にあるなど、写真で見るだけでは判断できない部分が多くあります。実物を拝見しないと正確な判断ができずに、瑕疵のない作品としてアバウトな査定金額を出すと、実物を拝見した後に金額が大きく変わってしまうこともあるため、なるべく実物を拝見したうえで、正確な金額をお調べいただくことが最良です。

棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子が人気の理由

二菩薩釈迦十大弟子は、歴史ある国際美術展での数多くの受賞など、棟方志功を代表する作品として有名です。テレビや展覧会などで紹介される機会も多く、露出の多い作品は、人気の高さが継続します。やはりどんなに良い作品でも、作品を見られる機会がなくなってしまうと、いずれ多くの人から忘れられてしまいます。

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二菩薩釈迦十大弟子は、制作数が特別多いわけではありませんが、ある程度の数量が市場に流通していて、テレビで紹介されたり、国内外のいくつかの美術館で作品が収蔵がされている、美術館で企画展が催されるなど、ある程度人目につくような作品数があるということも、今の人気の高さや需要の多さに影響しています。

棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子とは?

棟方志功の代表作のひとつとして広く知られる二菩薩釈迦十大弟子は、戦前の昭和14(1939)年に制作された作品です。十大弟子とは、お釈迦様のたくさんのお弟子さんのなかで代表的な10人のお弟子さんです。それぞれの名称は、舎利弗(しゃりほつ)智慧第一、目連(もくれん)神通第一、大迦葉(だいかしょう)頭陀第一、須菩提(しゅぼだい)解空第一、富楼那(ふるな)説法第一、迦旃延(かせんねん)論義第一、阿那律(あなりつ)天眼第一、優波離(うぱり)持律第一、羅睺羅(らごら)密行第一、阿難(あなん)多聞第一、です。これらの十大弟子に加えて、普賢菩薩と文殊菩薩の二菩薩を加え、二菩薩釈迦十大弟子とした作品になっています。

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普賢菩薩と文殊菩薩の二菩薩は、戦災で板木が消失してしまったため、戦後の昭和23年に改刻されています。新たに彫られた二菩薩を加えて制作された二菩薩釈迦十大弟子は、昭和30年にブラジルで開催されたサンパウロ・ビエンナーレや、イタリアで開催されるヴェネツィア・ビエンナーレに出品され、これらの歴史ある国際美術展などで受賞し脚光を浴びたこともあり、棟方志功の代表作のひとつとして、広く認知されるようになりました。

棟方志功の版画技法について

戦前に制作された二菩薩釈迦十大弟子より以前に制作された作品に関しては、墨付きの良い桂(かつら)の板木(版木)が使われていました。戦前の物資に乏しい時期になりますので、良質な板木の入手が困難だったことが想像されますが、その時期に6枚の大きく贅沢な朴(ほう)の板木を入手できた棟方志功は、この大きな朴の板木を無駄なく作品に活かし、板木いっぱいに二菩薩と釈迦十大弟子からなる12作を彫りあげ、二菩薩釈迦十大弟子を制作しました。

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棟方志功に関する多くの文献では、経典に記された釈迦十大弟子の性格と、二菩薩釈迦十大弟子作品の図像との一致や、板木の余白である白と、墨の黒とのバランスの秀逸さ、作品のデザイン性の高さなど、それらは神がかった偶然のもので、仏教でいうところの他力での産物のように言われていることが多い様に感じますが、全てのバランス感覚に優れた棟方志功の計算されつくした力作である逸品のように思います。

棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子の査定ポイント

美術品の相場価格は、需要と供給のバランスで形成されます。人気のある作品類の金額は高くなりますし、人気のない作品類の金額は低くなります。棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子は、棟方志功の代表作になり、人気が高く、また制作数も非常に多いわけではないため、相場価格は堅調です。

作品の状態を良好に保つ

二菩薩釈迦十大弟子は戦前の昭和14(1939)年に制作されていますので、その頃に刷られた作品は、時代も経ていますし、戦時中の過酷な状況を経ていることなどもあるでしょうから、本紙の状態が悪くなってしまっている作品が多くみられます。シミや焼けなどが出てきてしまった作品や、虫食いがあったり、水に濡れ本紙が破れてしまった作品などを拝見することもあります。シミや焼けに関しては、あまりひどい状態でなければ、修復やクリーニングによって、ある程度きれいな状態に戻すことが可能です。

棟方志功 十大弟子 価格 作品の状態

戦後に制作された二菩薩釈迦十大弟子作品でも、シミや焼けが出てきてしまっている作品は数多く、多湿な日本の環境下では、きれいなままの良い状態を長く保つことは難しく、気を使って保管してあげないといけない部分になります。

鑑定・登録をする

棟方志功作品に限らず、評価価格の高い物故作家作品の場合、その作家作品が本物か贋物かどうかをジャッジすることが出来る、真贋鑑定を行う所定鑑定機関が制定されていることが多くあります。棟方志功の作品についても、棟方志功鑑定委員会という名称の所定鑑定機関が制定されています。かつては渋谷の東急デパートさんにあった棟方志功ギャラリーが受付窓口になり真贋鑑定の受付がなされていましたが、2023年の渋谷東急デパートさんの建て替えを機に真贋鑑定受付の中止が発表され、現在(※2024年現時点)は鑑定の受付が行われていない状況です。

共箱や共シールのある作品であれば、本来はそれらが鑑定証書の役割を果たしておりましたので、美術市場での流通を考えた場合、あまり問題のない作品類もございますが、やはり正式な真贋鑑定が行えず鑑定証書の取得ができない状況は、美術市場での流通性を考えるうえでは、不利になってしまう作品類も多くあるのが実情です。

鉛筆サインの有無

戦前の棟方志功の板画作品に関しては、鉛筆サインの無い作品が多くあります。鉛筆サインがないからと言って、一概に評価が下がるわけではありません。ただ、棟方志功らしい豪快なサインや、年代によっては丁寧に書かれたサインが入っていたり、渡米中に制作された作品では英語表記の作品名が書かれていたりなど、棟方志功が直筆でいれたサインを見ると、まさにサインをしている当時の棟方志功の姿におもいをはせる様で、好きな方にとっては嗜好のひとつになり得ます。

棟方志功 十大弟子 価格 サイン部分

二菩薩釈迦十大弟子の作品に限っていえば、戦前に制作された二菩薩釈迦十大弟子には鉛筆サインがありません。二菩薩の改刻後である戦後の二菩薩釈迦十大弟子では、通常は鉛筆サインが入っています。

共箱や共シールの有無

自身の作品の真作を証明する意味でつけられた共シールや共箱があるということは高い評価につながります。作品内に書かれた鉛筆サインと同様に、棟方志功の独特の力強い筆跡で書かれ、それだけでひとつの作品と思えてしまう様な、立派な共箱や共シールもあります。

棟方志功 釈尊十大弟子の柵_箱書き

主に戦後に制作された二菩薩釈迦十大弟子の作品では、共箱をつけた(書いた)作品類が多い印象があります。ただし、戦前に制作された二菩薩釈迦十大弟子の作品でも、後に表具を仕立てて桐箱を用意し、箱書きを書いていただいている場合などもあり、戦前に制作された鉛筆サインのない二菩薩釈迦十大弟子の作品に、戦後に書かれたであろう立派な桐箱の箱書きがついていることもあります。

近年は、近現代の美術品について、鑑定証書の存在がより重要視される様になっており、共箱や共シールの有無が以前ほどには意識されなくなってきたように感じます。共箱や共シールがなくても、所定鑑定機関で鑑定証書を取得して、きちんと真贋証明ができる作家作品であれば、価格にもそれほど大きな影響がでません。ただし、棟方志功の二菩薩釈迦十大弟子の様な代表的な作品で、どうどうたる高価な表具で仕立てられている様な作品であれば、立派な箱書きを期待してしまう気持ちがあります。

査定のご依頼は信頼できる美術商へ

査定のご依頼をお考えの方の中には、不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「所有している美術品の金額を知りたい」
「絵画の評価査定をしてもらった事があるが、その金額は妥当なのか」
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