北大路魯山人の共箱の重要性と評価のポイント~査定のご相談は花田美術まで~

魯山人 赤呉須酒のみ 共箱

北大路魯山人の共箱が重要な理由

北大路魯山人が箱書きした共箱の有無は、作品と同様に評価査定や買取査定に大きく関わってきます。なぜ、共箱(箱書き)が重要なのか、その理由を説明いたします。

書家としても著名な北大路魯山人の箱書きは、力まず温かみのある筆致で、仮名・漢字を用いた味わいある書体です。作品そのものを愛でると同時に箱書きも大きな魅力の一つです。そして、窯から多数焼き上がった作品の中から、北大路魯山人が誰よりも厳しい目で厳選して、

「是非これに料理を盛り付けたい」
「これは世の中にお披露目したい器だ」

と作者自身を唸らせた作品のみに箱書きがなされます。その証でもある共箱の箱書きの存在は非常に重要です。

魯山人 志埜四方平鉢 共箱

他の作家の窯出しに立ち会った経験がありますが、自信作以外の作品は、その場で叩き割られて廃棄処分されるか、手伝ってくれた親しい人達に箱無しの状態で差し上げていた事もありました。

例えば、元々は共箱が付帯されていたのに、桐箱が割れて破棄していたり、紛失してしまった場合でも、共箱が無いというだけで、

「もしかしたら、叩き割られる作品だったのかもしれない」
「不出来のために箱書きをしなかったのかもしれない」

そのような疑いの目でコレクターからは見られてしまう事もあり、残念ながら評価金額も極端に抑えられたものとなってしまいます。もしも、共箱をどこにしまったか分からなくなった場合でも、査定の前にもう一度共箱を探されることをお勧めいたします。

共箱以外に評価につながるポイント

共箱以外にも、査定時の評価につながるポイントがあります。今回は以下の二つのポイントを詳しく解説します。

  • 彩色や形状
  • 作品の状態

実際には、上記のポイントの他に時好や市場相場なども考慮しながら査定いたします。花田美術では写真やメールの画像からでも概算の査定をすることが可能です。お気軽にお問い合わせください。

評価のポイントを解説する上で、北大路魯山人がどのような作品を制作しているのかについてもあわせて紹介しております。北大路魯山人の作品をお持ちの方は、ぜひ参考になさってください。

彩色や形状

北大路魯山人の作風は、挑むように尖った抽象的造形や奇抜な彩色ではなく、美食を引き立て、料理を迎え入れる器として多様な皿・碗・鉢などを制作しました。

魯山人 志野湯呑 共箱

志野釉や織部釉など様々な釉薬を駆使した器があり、鉄絵で表現された絵付は穏やかでありながら、伸びやかなリズムを感じます。また、鮮やかな色絵で彩色した椿鉢や金彩を施した紅葉のおおらかな大鉢も有名な器です。

焼き上がりの色合いや生命力ある絵付の配置、直線的ではない柔らかな形状は、土がもつ特有の温もりがあり、全てがバランス良く一体となっている作品は、やはり評価が高くなり、売買される価格も高額となります。

作品の状態

北大路魯山人の陶器は、実際に使用することを前提として制作された作品が多いゆえに、経年で変化してしまった作品も多いです。また、適切に保管することが難しい大きな俎板鉢や大壷などは、飾り付ける際に口造り部分や底部がキズ付くこともあります。

査定の際にはその点も確認するため、保存状態が良好の作品は評価も高くなります。

北大路魯山人の作品の魅力や特徴

北大路魯山人の作品には、一体どのような魅力があるのでしょうか。その作品自体が存在を強く主張し、いわゆる美術品たる大名品も数多く制作されています。そして、食や生活を「引き立てる器」の作風は、とても味わい深く、豊かさとおおらかな余裕を感じさせてくれます。

魯山人 赤志野四方平鉢 共箱

例えば、織部や志野の四方皿などは、皿単体でも十分な存在感がありますが、刺身や焼き魚などが盛り付けられることにより、相乗効果で飛躍的に魅力が倍増します。信楽や備前の花入も生けることにより作品の世界観が更に整って参ります。

北大路魯山人の作品は、全く隙の無い作品ではなく、必ずどこかに隙をつくっているように思われます。その僅かな隙に、様々な料理が合わさったり、愛でる自分の心情を当てはめてみることができます。北大路魯山人の作品を取り扱う度に、そのような魅力と幸福感を感じています。

北大路魯山人の経歴・プロフィール

北大路魯山人は、京都市北区にある賀茂別雷神社の社家の次男に生まれます。しかし、誕生する前に父親に先立たれてしまい、生後直ぐに里子に、その後も再び養子へと次々に養父母が変わるという、大変に複雑で不憫な幼少期を過ごします。この幼少期から、生きるため、また自分の居場所を確保するためにも炊事を買って出ていたことが、後の北大路魯山人の「食」や「器」に対する姿勢にも繋がっていきます。

魯山人 信楽徳利 共箱

青年期からは書家として非凡な才能を発揮し、続いて篆刻や濡額でも数々の傑作を作りだします。そして、日本各地の数寄者や作家達の知遇を得ることになります。その後は、陶芸・絵画・漆芸・古美術商・料理人など美術や工芸だけでなく、非常に幅広い分野を探求し続けながら活躍されました。

北大路魯山人の作品の平均的な買取価格

ご承知の通り、北大路魯山人は大変に多才で、非常に多様な作品を数多く残しています。例えば、実際に日常で使用できる湯呑・箸置き・小さな向付や壷などから、味わいのある書や篆刻、ミュージアムピースの大鉢なども制作されております。

意匠や大きさ、作品の保存状態、そして北大路魯山人が箱書きした共箱の有無などによっても買取価格が上下します。そのため非常に大まかな金額幅になり恐縮ですが、北大路魯山人作品の買取価格は、数万円代から数千万円という非常に広い範囲となります。

共箱がある北大路魯山人作品の査定を依頼する際の注意点

北大路魯山人は著名な作家のため、誠に残念ながら贋作が非常に多く出回っています。似ても似つかない稚拙な偽物や、別の作家が真剣に制作した作品に手を加えて北大路魯山人風に掻き銘を入れたもの。そして、本物の共箱の中に偽物が入れられているような悪意あるものも存在しています。それゆえに、容易に判断することができない場合でもお気兼ねなくご相談ください。

魯山人 金襴手赤玉文徳利 共箱

以前、査定依頼を受けたお客様が北大路魯山人作品をとても大切にされていました。しかし、定期的に共箱の埃や汚れを拭き取られていたため、拝見した際には北大路魯山人の箱書きがほとんど消えてしまっている状態でした。

書家としても著名な北大路魯山人の共箱は、味のある筆致も見所の一つです。もしも、共箱が汚れてしまい、木釘(空木)が抜けて歪んでしまった状態でも、手を加えることで文字がかすれたり、箱の補修でシミや斑模様になる可能性もあります。そのため、できるだけそのままの状態で拝見させてください。

明確な価格を出すためには、実際に作品を拝見して保存状態なども細かく確認する必要がありますが、メールなどで作品画像を拝見して、概算での査定を行うこともできます。北大路魯山人の作品の買取・査定をご検討の方は、お電話や問い合わせフォームより、お気軽にご相談ください。

共箱がある北大路魯山人の作品をお持ちの方はこちら

共箱がある北大路魯山人の作品をお持ちの方は、花田美術へお気軽にご相談ください。現在の相場価格や説明も不充分なまま、執拗に売却を迫る出張買取業者がいるという被害報告もお客様から聞いています。花田美術は、東京美術倶楽部・東京美術商協同組合・全国美術商相互会に所属しており、東京都公安委員会から許可を得ている美術商です。弊社は、強引な買取り(押し買い)をすることは一切ありません。安心してご相談ください。

またお客様のご要望にあわせた売却方法などを提案いたします。現在はまだ売却をお考えでないという場合も、お気軽にお問い合わせください。

電話番号 03−3289−0668

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