ー 似て非なる二人の巨匠作家 ー
2015年11月14日(土)に東京美術倶楽部で開催された
公開美術講座『近代の風俗画ー清方と松園』に行って参りました。
講師は美術史家で茨城県近代美術館長の尾崎正明さんでした。
2015年9月12日、19日に鏑木清方と上村松園は『美の巨人たち』でも放送されましたね。
美人画という同じジャンルかつ同時代に生きた画家としてよく比較されることがあります。
しかし、そこにはそれぞれ異なるルーツがありました。
上村松園は
京都に生まれ、12歳にして画学校に入学してまもなくその才を発揮します。
幸野楳嶺に師事をしました。
円山応挙の一派に始まる画風で育った松園は、その強い筆致で当初は山水などを多く描いていました。
楳嶺の死後は竹内栖鳳に師事し、輪郭線を削ぎ落とした作風で描くようになります。ちょうどこのころから人物画を描くようになります。
一方、鏑木清方は
東京に生まれ、挿絵として名を挙げた水野年方に師事をします。
例に漏れず清方も挿絵を描き始め、画家としてのキャリアをスタートさせます。
樋口一葉を好んで描き、徐々に画家へとスタイルを変えていきます。
生まれた場所も生い立ちも異なる二人の巨匠作家、
西の上村松園 ー 東の鏑木清方
一見似ているように思える二人、
ルーツを探ると、描いている場所が違ったり・女性の顔や髪型が違ったり・構図が違ったり・・・
これからの作品の見方が一段と面白くなると思います。
東京美術倶楽部で開催されている公開美術講座『近代の風俗画ー清方と松園』は2015年12月19日にも開催されます。
ご興味のある方は是非足を運んでみてください。