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苦悩の画家 鴨居玲 

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苦悩の画家鴨居玲。
57歳という若さで生涯を閉じた人間の根底に潜む闇や葛藤を描き続けた孤高の画家。

石川県金沢で兄姉の下に生まれた鴨居、兄は戦死、父は鴨居が21歳の時に他界しその後は壮絶な人生を送った。
父の死後、周囲の人々が手のひらを返したように鴨居に対し接したことが心に大きな影を作った要因となる。
後になり、死を意識した時代だったと本人は語っている。
この時の強烈な経験が画家鴨居玲の人格・画風を形成したのであろう。

鴨居玲

40歳になるまではさまざまなタイプの作品を描き、なかなか思い通りのものが描けずほとんどの作品は捨ててしまったと言う。
おそらく鴨居の画風が確立したのは、40歳の時に『安井賞』を受賞してからだろう。
それ以後、代表的なモティーフとして『酔っ払い』を描くようになる。

サイコロ

本作品は鴨居がブラジル・フランス・スペインでの制作活動を終え、
日本に帰国して初めての展覧会で出品した作品である。
酔っ払いと言うが、
喜んでいるのか・怒っているのか・笑っているのか・苦しんでいるのか分からない。
見る人によって、またはその時の気分で様々な表情を見せてくれる不思議な逸品である。
一部を切り取ると、もはや抽象絵画のようにも見れるマチエールを近く見て堪能していただきたい。

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